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2010/01/21 9:54:23|映画の雑文 
合戦が間延びした「レッド・クリフ2」
「レッド・クリフ2」☆☆☆★★

 WOWOWでの映画の放送は一部例外もあるが、ほとんどが公開後1年。そんな決まりがある、のかどうか知らないが、だいたい公開半年でDVDとペイパー・ビューがOKとなり、WOWOWが1年(つまりDVD発売の半年後)、その半年後くらいにムービー・プラスなどで公開され、さらにその半年後(つまり劇場公開2年後)に地上波で公開OKというような暗黙の了解があるようである。もっとも例外はあり、「レッド・クリフ1」などは、地上波のテレビ朝日、ムービー・プラス、WOWOWの順に放送された。
 今回は、めでたくWOWOWが初放映である。「レッド・クリフ1」のときもそうだったが、ともかくWOWOWの放送は画質がよい。あ、これがハイビジョンなんだな、と納得できる。地上波デジタルもハイビジョンのはずなのだが、明らかに画質が違う。ところが、我が家のDVDレコーダーはハイビジョン録画ができないので、生で放送を見た時と、録画して見たときとでは画質の差がはっきりとわかって、ちょっとがっかり。いずれは買い換えの必要がでてくるんだろうなあ(^^;。
 というようなことはともかく、前作では当然のように尻切れとんぼだった「レッド・クリフ(つまり「三国志」中盤のクライマックス、赤壁の戦い)」の完結編である。正式なタイトルは、「レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-」。もちろん、このあと曹操の後を次いだ曹丕に呉も蜀も滅ぼされてしまうのだから、「未来への最終決戦」というのは大嘘なのだが、映画の中では一応勝って終わるので、まあいいとしよう。昔の東映時代劇ではないが、呉と蜀が「いい方」、魏が「悪い方」というわかりやすい区分けで、「いい方」が勝ち、めでたしめでたしで終わる。観客は溜飲を下げ、スカットした気持ちが見終えることができる。映画だからそれでいいのだと思う。
 今度は地上波より早く、おそらくテレビ初放映ではないだろうか。ミニチュアとCGはちょっとばかりちゃちいもののさすがに世界最大の人口を誇る?中国。随所にあるモブシーンなどはかなりの迫力で、ハイビジョンの大画面テレピで見たい。私の家のテレビは40インチなのだが、できれば46インチ以上、さらに欲を言えば去年ヨドバシカメラで見た58インチ、65インチといったプラズマテレビで見たいところである(シャープの60インチ液晶もあったが、60インチクラスになるとやはり自発光のプラズマテレビの方が残像もなく、断然鮮やかである)。
 話が脱線した。
 「レッド・クリフ2」のストーリーは、先にも書いたように、要するに赤壁の戦いに勝利するまでという単純なもの。一昔前の「ベン・ハー」「アラビアのロレンス」など220分(3時間半)越えの大作が封切られていた時代なら文句なくよけいな部分はカットして200分程度の一本の映画になっていたはずである。内容からしても180からせいぜい200分の作品だろう。それを1=145分、2=144分と分けて2本分稼ごうとしたために、とくにこの2は話が単純になってしまった。ただただ呉・蜀の連合軍が曹操率いる魏の大群と戦うだけで、これではとても2時間以上の映画にできない。ということで、周瑜の妻・小喬が曹操の所に行ったり、孫権の妹・尚香が曹操の軍にスパイとして潜り込んだりという話を挿入している。不自然きわまりない。映画の中では曹操が戦いを起こした大きな目的の1つが小喬を我がものにしたいということになっている。それだったら、来た途端にレイプされ、言うことをきかないのなら殺されても仕方ないところなのだが、(以下、ネタばれ)辱めも受けずに無事救出される。尚香のスパイの目的は曹操軍の陣容を調べることだったらしいのだが、その地図はざっと映されるだけで、以後の戦いでどう役に立ったのか、さっぱりわからない。結局のところ、見ているこちらにも曹操軍がどういう陣地をしいているのか、また、途中から参加してくる劉備軍はどこに潜んでおり、曹操軍のどのあたりから突入してきたのか、これまたさっぱりわからないという結果に終わってしまった。で、ただただ画面には大勢の斬り合いと爆発、矢が延々と映し出されるだけである。「1」であれほど活躍した趙雲、関羽、張飛といった面々も残念なことに、あまり見せ場がない。
 尚香が曹操軍で仲良くなった男が死ぬ場面が長いのも気になった。周りは大乱戦の最中である。なのに、敵も見方も2人を避けるように戦っており、決して斬り掛かったりはしない。1回でいいから、斬り掛かってくる者を退けるシーンが必要だったのではないのか。それがないので、2人はゆっくり延々と別れの言葉を交わすことができるのだが、これでは、主人公を取り囲んだ悪人たちが、いっせいに斬り掛かりはせず、1人ずつかかっていって最後には全員斬られてしまうという、そんなところまで真似する必要はないと思うのだが、これまたかつての東映時代劇と同じである。
 そもそも、全軍入り乱れての戦闘シーンは、演出がとても難しいものだと思う。
 かつてのソ連映画「戦争と平和」のボロジノの戦い、「エル・シド」のバレンシアの戦いなどそれでもがんばったほうだと思うのだが、それでもせいぜい60点程度のできである。そのことを知っていたスタンリー・キューブリックは「スパルタカス」のクライマックスの戦いでは布陣をしっかり見せ、戦いの初めをきっちり描いておいて、入り乱れても戦いはさっと切り上げている。大乱戦はテンションこそ高いものの、そのテンションが一定なので長く見せられると意外と退屈なものなのである。それを緊張感をもって映像化するのは、「男たちの挽歌」や「ミッション:インポッシブル2」を撮った程度の監督の手にとても負えるものではないのだ。

☆★は、尊敬する映画評論家=故・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。要するに合格というか許せるぎりぎりのラインということです。)





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